FX会社の多くは10,000通貨での取引が基本となっていますが、FX初心者やレバレッジを下げて運用したい人向けに、100通貨単位や1,000通貨単位以下で取引できるFX会社もあります。
そこで、今回は100通貨単位や1,000通貨単位で取引できるFX会社一覧と、1,000通貨単位で取引することの意味やメリット・デメリットなどについて説明したいと思います。
100通貨単位や1,000通貨単位で取引できるFX会社一覧
1,000通貨単位以下で取引できるFX会社を一覧にしましたので、口座開設の際の参考にして頂ければと思います。
FX会社 | 取引手数料/片道 |
---|---|
SBI FX TRADE | 無料(1通貨単位から取引可) |
マネーパートナーズ | 無料(100通貨単位から取引可) |
みんなのFX | 無料 |
外為ジャパン![]() | 無料 |
ヒロセ通商【LION FX】 | 無料 |
YJFX! | 30円 |
セントラル短資 | 無料 |
JFX | 無料 |
FXトレード・フィナンシャル | 無料 |
外為どっとコム | 無料 |
マネックスFX | 無料 |
上記のFX会社の中でも特におすすめのFX会社としては、なんと1通貨単位から取引できるSBI FX TRADEと取引通貨が50種類以上もあるヒロセ通商【LION FX】
です。
SBI FX TRADEとヒロセ通商【LION FX】
の2社はスプレッドランキング(参考記事/FXスプレッド比較ランキング|最少おすすめ業者)でも国内FX会社の中では上位にランクインしているFX会社ですので、1,000通貨単位で取引を始めたいという方にとっては、国内屈指の2社ということになるかと思います。
1,000通貨と10,000通貨の取引の違い
これからFXをはじめてみたいと思っている人の中には、そもそも1,000通貨単位と10,000通貨単位では、どう違うの?という疑問を持っている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、1,000通貨単位での取引と10,000通貨単位で取引することを比較するための簡単な表をご用意しましたので、ご覧ください。
証拠金・・10万円 投資対象・・米ドル/円=1ドル100円 | 1,000通貨 | 10,000通貨 |
---|---|---|
1枚 | 10万円 | 100万円 |
レバレッジ | 1倍 | 10倍 |
1pipsの利益 | +10円 | +100円 |
1pipsの損失 | -10円 | -100円 |
100pipsの利益(1円分の利益) | +1,000円 | +10,000円 |
100pipsの損失(1円分の損失) | -1,000円 | -10,000円 |
証拠金10万円で、米ドル/円=1ドル/100円をトレードすると、1枚あたりのレバレッジは、それぞれ1倍と10倍になりまして、100pips=1円動くと、それぞれ±1,000円と±10,000円の変動があるということになります。
1pipsの場合は、100pips=1円の100分の1にあたりますので、それぞれ±10円と±100円の変動があるということになります。
1,000通貨単位で取引すると”儲け”となる利益も少なくなりますが、損失もその分、限られているのがお分かり頂けるかと思います。
FX初心者の方で10,000通貨の取引はちょっと・・・という方がFXの感触を掴むために、1,000通貨単位から取引をはじめてみるというのは、とてもいいアイデアだと思います。
デモトレードで練習するより、1,000通貨単位で実戦に臨む方が、相場から伝わってくる”リアリティ”は全然違うはずです。
100通貨単位や1,000通貨で取引するメリットとデメリット
1,000通貨単位で取引するデメリットは何と言っても、そのサイズが小さいことになるかと思います。
上のケースでご覧頂きました通り、仮に米ドル/円に1,000通貨で1枚取引を行ったとしても、1円動いてようやく、±1,000円の変動しかありません。
これでは、いくら儲けたい!と思っても、なかなかまとまった利益を上げることは難しいと言わざるを得ません。
では、1,000通貨単位で取引するメリットにはどんなことが考えられるでしょうか?
100通貨単位や1,000通貨で段階的に枚数を集める-ナンピン-
伝説の相場師であるジェシーリバモアは、かつて次のように語っています。
「あらゆる相場は暴落と暴騰の繰り返しである」
これは、FXの主戦場である為替相場にも当てはまりまして、相場は日々上昇と下落を繰り返しています。
そして、その相場の先行きを予想することができれば、見事、利益を手にすることができるというわけです。(それが、とても難しいことなのですが・・・)
相場のトレンドを見極めることも、もちろん難しいのですが、さらに難しいのは、マーケットの天井と底を当てるということです。
実際に、相場のトレンドを見極める=相場観は当たっているのに、エントリーするタイミングやポジションサイズを誤ってしまい、損失を出してしまうということは少なくありません。
よくあるパターンの一つとしては、相場の見通しは当たっているのに、スキャルピングやデイトレードなどで一回のトレードでレバレッジを上げてしまったがために、相場の一時的な逆行に耐えられなくなって損切を繰り返してしまうというものです。
そうしたときに、有効になるのが段階的に枚数を集める、いわゆる”ナンピン”です。
ナンピンについては、トレーダーによっては避けるべきという人もいますが、トレード対象の通貨ペアがボックス相場で方向感のない動きをしているときは、むしろ有効なトレード手法の一つです。
資金が少ないときに、”儲けたい”という一心でレバレッジを上げて一回のエントリーで短期的な変動に右往左往してしまうよりは、指値注文を段階的に並べて、ポジションを徐々に作っていくというのも一つの戦略です。
ただ、この戦略が使えるのは、ボックス相場であることが前提ですので、自分の相場観が外れたときには、きっちりと損切りする準備だけは欠かせません。
100通貨単位や1,000通貨投資で複利運用はメリットにはならない
FXの魅力の一つにスワップポイント呼ばれる金利収入があります。
それを利用してポジションを徐々に膨らませていくという複利運用という方法もありますが、実はこの点については、1,000通貨単位でトレードできることは、それほど大きなメリットになりません。
例えば、NZドル/円を平均75円のレートで30万通貨、元手300万円、レバレッジ5倍という条件でスワップ金利を運用した場合を見てみましょう。
証拠金 | 保有通貨ペアと数量 | 1ヶ月あたりのスワップポイントによる金利収入 | レバレッジ |
---|---|---|---|
300万円 | NZドル/円=75円×30万通貨 | +1,500円×30日=+45,000円 | 約5倍 |
上が、複利運用をはじめたときの状況だと仮定して、レバレッジ5倍を維持することを前提に、スワップ金利が貯まったらそのお金でNZドル/円を買い増していく複利運用の方法を1,000通貨単位と10,000通貨単位で行った場合を比較してみましょう。
運用年数 | 1,000通貨単位で複利運用の場合 | 10,000通貨単位で複利運用の場合 |
---|---|---|
1年 | 387,105円 | 379,300円 |
2年 | 824,260円 | 806,550円 |
3年 | 1,317,985円 | 1,289,150円 |
4年 | 1,875,560円 | 1,834,050円 |
5年 | 2,505,280円 | 2,449,700円 |
6年 | 3,216,440円 | 3,144,600円 |
7年 | 4,019,605円 | 3,929,950円 |
8年 | 4,926,665円 | 4,816,550円 |
9年 | 5,951,035円 | 5,818,050円 |
10年 | 7,107,910円 | 6,949,000円 |
ご覧頂きました通り、スワップ金利だけで複利運用していく場合、1,000通貨単位と10,000通貨単位で累積される利益の差はほとんどありません。
実際には、入ってくるスワップ金利が変更になったり、買い付ける為替レートが変更になったりしますので、この通りにはいきませんが、1,000通貨単位で再投資を繰り返すことが必ずしもメリットになるというわけではありません。