FX口座数はいくつ開設すればいいんだろう?
FX初心者の中には、FX口座を複数持つという理由がいまいちピンとこないという方もいるかもしれません。
そこで、今回は「FX口座は複数で使い分けるべき8つの理由」と題して、複数口座を持つメリットについて説明していきたいと思います。
1.トレードできる通貨ペアの種類
FX初心者の方の中には、最初は米ドル/円や豪ドル/円、ランド/円、トルコリラ/円といったクロス円通貨の取引をメインに考えている方もいるかと思います。
しかし、実際にトレードをはじめてみると、クロス円だけでなく、いわゆるドルストレートと呼ばれるユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルあたりのメジャー通貨を取引したいという場面や、クロス円でも高金利通貨として有名なトルコリラ/円や豪ドルクロス通貨を取引したいなど、様々な願望が出てきたりすることがあります。
例えば、何かのきっかけでトレードのアイデアをひらめいたりして、この通貨ペアは今がチャンスだ!と思った時に、肝心のFX会社で取引通貨がないとがっかり・・・です。
そういった意味では、FX会社の口座は複数持っていれば、どちらかの会社で取引ができますので、チャンスを逃さずに即座にトレードすることができます。
なお、トレードしたい通貨ペアがないときにも、裏技的にトレードする方法も念のために説明しておきたいと思います。
例えば、豪ドル/ニュージーランドドルの通貨ペアを買いで取引したいのに、口座を持っているFX会社にAUD/NZDの通貨ペアがない場合は、「豪ドル/円を買い」で入り、「ニュージーランドドル/円を同時に売る」という方法でAUD/NZDの通貨ペアの買いポジションを作ることができます。
ただし、この方法では手数料やスプレッドを余分に支払う必要がありますので、あまりおすすめできる方法とは言えません。
今持っているFX会社にはないけど、どうしても今、トレードしたい通貨ペアがあるというときは、この方法を使ってトレードして頂ければと思います。
ただ、そうした余分な手間をかけたり、手数料・スプレッドを支払わないためにも、あらかじめFX口座は複数持ち、使い分けた方がよりスムーズにトレードができるでしょう。
2.スワップポイント=金利差
FXの取引の醍醐味の一つにスワップポイントと呼ばれる金利収入があります。
スワップについてご存じない方に簡単に説明させて頂きますと、ランド円やトルコリラ円に代表される高金利通貨は、その通貨を保有しているだけで日本円との金利差を毎日、スワップポイントとして、受け取ることができます。
例えば豪ドル/円を1万通貨買った場合に1日50円のスワップがあるとすると、30日分=1ヶ月で1,500円の金利収入を受け取ることができるという感じです。
しかし、このスワップポイントについては、FX会社によって貰える金額が異なります。
あるFX会社では45円、あるFX会社では50円といった具合です。
貰う場合は、まだいいですが、スワップを支払う場合は特に損した気分になってしまいます。
スワップポイントを主な目的としてトレードを考えているのであれば、FX口座も複数持っておきたいところです。
3.スプレッド
FXでトレードをするときに最も注意を払う必要があるのが、スプレッドです。
スプレッドとは、ご存じない方に簡単に説明させて頂きますと、下の表の太字の部分で買値と売値の「差」のことを指しています。
売 | 買 | スプレッド | |
---|---|---|---|
ドル/円 | 121.468 | 121.471 | 0.3 |
ユーロ/ドル | 1.10129 | 1.10138 | 0.9 |
豪ドル/円 | 87.670 | 87.670 | 1.2 |
例えば、上の表では米ドル円のスプレッドが0.3となっていますが、米ドル円を1ロット=10,000通貨買って、すぐに反対売買をすると10,000×-0.3=-30円損をしてしまうということになります。
ユーロ/ドル、豪ドル/円を同様の方法で10,000通貨を買ってすぐに反対売買すると、それぞれ-90円、-120円の損失が出るということになります。
トレードする側にとってみれば、スプレッドが狭ければ狭いほど、損をしにくく、逆にスプレッドが広いとトレードで利益を出すのは大変になります。
米ドル円やユーロドルといったメジャー通貨であれば、FX会社によって、スプレッドの差はそれほど大きくありませんが、マイナーな通貨ペアになると、FX会社によりかなり開きがありますので、そういった意味では取引する通貨によって、FXの口座を使い分けることで、スプレッドの分を節約することができます。
4.手数料
FXでトレードを頻繁にしようとすると気になるのが売買するときの取引手数料です。
大手のFX会社であれば手数料はゼロという会社が多いですが、中には取引手数料が掛かる会社も存在します。
取引手数料が高いFX会社で取引をすると、先ほどのスプレッドと取引手数料のダブルでコストを支払う必要がありますので、ポジションを持った瞬間に損失がそれなりの金額で出てしまいます。
ただ、そういった会社はスワップポイントが他のFX会社に比べると高かったりするので、トレードの目的に応じて、FX口座を使い分けるというのがいいでしょう。
また、手数料の種類にはその他にも様々な手数料がありまして、口座維持手数料、ロスカット手数料、出金手数料、口座開設手数料、入金手数料がありますが、DMM FXやGMOクリック証券
といった大手のFXでは、そうした手数料は全て無料になっています。
5.トレードツールの豊富さ
FXをトレードするときの環境はスマホ、ブラウザ、ガラケー、トレード専用アプリなど、取引する人により様々です。
また、自宅ではブラウザから、外ではスマホからというように、複数のツールを使いこなすという方も少なくないと思います。
そんなトレードツールも提供されている種類はFX会社によって異なります。
例えば、「8年連続国内第一位(ファイナンス・マグネイト社調べ (2012年1月~2019年12月)」の取引量を誇るGMOクリック証券では、スマホ、PCだけでもかなりの種類のトレードツールを用意しているだけでなく、なんとスマートウォッチのアプリまで提供しています。
また、スマホのアプリもFX会社がそれぞれ提供していますが、その使用感はFX会社により、かなり異なりますので、トレードする環境にあわせて自分が使いやすい口座でトレードしたりなど、上手く複数のFX口座を使い分けたいところです。
6.テクニカル指標の種類
FXトレーダーの方の中にはテクニカルチャートを複数使いこなしてトレードするという方は少なくないと思いますが、表示できるテクニカル指標の種類もFX会社によって異なります。
MACDやボリンジャーバンド、ストキャスティクス、標準偏差、単純移動平均、RSI、エンベロープ、一目均衡表などメジャーなテクニカルチャートはどこのFX会社も変わりませんが、マイナーなテクニカルチャートになりますと、FX会社により実装状況はマチマチです。
別の見方をすれば、FXの口座数を多く持つことで使えるテクニカル指標はその分だけ増えますので、そうした点でもFXの口座を複数持つメリットがあると言えます。
7.株、CFD、バイナリーオプション、先物取引用口座への資金の移動
FXトレーダーの中には、為替での取引だけでなく、株や先物などの取引を行うといった人も少なくないかと思います。
そんなときに、FX口座のお金を一旦、銀行に出金して、今度は株の口座へ資金を移動したりしていると、時間も手間も掛かってしまいストレスになります。
しかし、例えば、GMOクリック証券では株式などの取引を行う証券取引口座からFX口座へリアルタイムで運用資金を移動できますので、ストレスなく取引をすることができます。
FX口座を複数持つメリットはこうした点にも存在します。
8.システムトラブルなどの緊急時の対応用に
FX会社がどんな強固なシステムで作られていても、システムトラブルに見舞われることが絶対にないということは言い切れません。
トラブルがあっても、運用資金そのものは信託銀行などで保全されますので、心配はいりませんが、トレードの機会を逃すということはFXトレードでは、致命的です。
そんなトラブルに対応するためにもFXの口座は複数持っておく方がいいでしょう。