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米ドル/カナダドルの為替相場をFRBとBOCの政策金利からサイクル分析で予想する方法

世界10位前後の経済規模を誇り、資源国として有名なカナダ。

アメリカとの経済的な結びつきが強いことからカナダドルは北米通貨としても、市場では認知されています。

そんなカナダドルについて、アメリカとカナダの政策金利をベースに為替相場をサイクル分析で予想する方法について説明してみたいと思います。

では、早速、見ていきましょう。

アメリカの政策金利と米ドル/カナダドル相場

早速ですが、まずはFRBのFFレート及びBOCの政策金利(Target For The Overnight Rate)とカナダドル/米ドルの長期チャートをご覧ください。

アメリカのFFレートは1971年から2016年2月までの長期チャートになります。

ffrate

出典/セントルイス連銀-Effective Federal Funds Rate-

カナダの政策金利の長期推移は下記になります。

long

参考/Interest Rates, Government Securities, Treasury Bills for Canada(St. Louis)

続いて、カナダドル/米ドルの長期チャートをご覧ください。

usdcad_600

(チャート参照元/セントルイス連銀)

では、上記のチャートをベースに、FRBによる政策金利の上げ・下げ、BOCによる政策金利の上げ・下げの後に、カナダドル/米ドルがどのように動いてきたかということを、それぞれ詳しく見ていきましょう。

FRBの利上げ及びBOCの利上げとカナダドル/米ドル相場のサイクル

FRBの利上げ及びBOCによる利上げとカナダドル/米ドル相場の関係を見ていくために、まずはFRBが過去に行った利上げと利下げ、及びBOCの利上げと利下げについて時系列で確認しておきたいと思います。

1971年から直近の2015年の12月の利上げ開始まで、FRBが行った利上げ開始時期と利下げ開始時期は下記の通りとなっています。

米国の利上げ開始時期米国の利下げ開始時期
1973年1月1974年12月
1977年9月1980年5月
1980年9月1981年11月
1984年4月1984年11月
1987年9月1990年10月
1994年2月1995年7月
1997年3月1998年9月
1999年6月2001年1月
2004年6月2007年9月
2015年12月-

参考/FRB Open Market Operations

そしてBOCが行った利上げ開始時期と利下げ開始時期は下記の通りとなっています。

BOCの利上げ開始BOCの利下げ開始
1997年10月1998年9月
1999年11月2001年1月
2002年4月2003年7月
2004年9月2007年12月
2010年6月2015年1月

参考/Interest Rates(BOC)

上記の中から、アメリカとカナダの「利上げの開始時期」を抽出して、チャート上に表記したものが下記になります。

riage

薄い黄緑色の丸がFRBの利上げ開始時期、濃い緑色の丸がBOCによる利上げ開始時期を表しています。

日本やヨーロッパは、通常、アメリカが利上げを行った後、追従する形で、その後、利上げを行うのですが、カナダについては1997年以降(BOCの政策金利の集計が確認できる最初の年)、アメリカの後に利上げをはじめたのは3回、そして、アメリカに先行する形で利上げをはじめたのが2回という状況になっています。

上記の中でも特筆すべき点としては、アメリカ利上げを行うと、ほとんどのケースでカナダドル安/米ドル高が進んでいることです。

riage2

ただし、1987年と2004年のアメリカの利上げのときは、例外的にカナダドル高/米ドル安が進んでいます。

一体、何があったのでしょうか?

1987年はカナダの政策金利の状況が把握できないため、その原因がはっきりとはしませんが、2004年のアメリカの利上げにも関わらず、向こう数年間のカナダドル高/米ドル安が続いたのは、原油価格の高騰が原因であると考えられます。

wti

参考/Crude Oil Prices: West Texas Intermediate (WTI) – Cushing, Oklahoma

2004年から2007年ごろまで、WTIの原油先物価格はまさに歴史的な急騰を演じていました。

カナダと関係が深い原油価格が買われ続けたことから、カナダドルも買われ続けたことが予想されます。

また、もう一つの注目ポイントしては、カナダがアメリカに先行して利上げを行った、2002年4月と2010年6月の利上げ後のカナダドル/米ドルの動向で、半年から約1年間程度、カナダドル高/米ドル安が進んでいることが確認できます。

riage3

以上のことから、アメリカとカナダの政策金利とカナダドル/米ドルの間には、次のようなサイクルを見出すことができます。

〇アメリカがBOCに先行して利上げしたときはカナダドル安/米ドル高が進みやすい

〇ただし、原油価格が高騰しているときは、カナダドル高が進むことがある

〇アメリカよりもBOCが先行して利上げしたときはカナダドル高/米ドル安が進みやすい

〇その後のカナダドル高は6ヶ月から1年程度続く

では、続いてアメリカの利下げ及びカナダの利下げとカナダドル/米ドルの動向について、見ていきましょう。

FRBの利下げ及びBOCの利下げとカナダドル/米ドル相場のサイクル

先ほど同様、まずは1971年から直近の2015年の12月の利上げ開始まで、アメリカが行った利上げ開始時期と利下げ開始時期を確認しておきましょう。

米国の利上げ開始時期米国の利下げ開始時期
1973年1月1974年12月
1977年9月1980年5月
1980年9月1981年11月
1984年4月1984年11月
1987年9月1990年10月
1994年2月1995年7月
1997年3月1998年9月
1999年6月2001年1月
2004年6月2007年9月
2015年12月-

参考/FRB Open Market Operations

そしてBOCが行った利上げ開始時期と利下げ開始時期は下記の通りとなっています。

BOCの利上げ開始BOCの利下げ開始
1997年10月1998年9月
1999年11月2001年1月
2002年4月2003年7月
2004年9月2007年12月
2010年6月2015年1月

参考/Reserve Bank of New Zealand -Official Cash Rate (OCR) decisions and current rate-

上記の表からアメリカとカナダの「利下げを開始した時期」をカナダドル/米ドル相場のチャート上に抽出したものが下記になります。

risage

赤丸がアメリカの利下げ開始時期、黒丸がカナダの利下げ開始時期になります。

利上げ同様、カナダについては、米国よりも先に利下げに動くときとそうでないときがあることが確認できます。

そして、ご覧頂くとお分かりの通り、アメリカが利下げを行うと、ほとんどのケースで、カナダドル売り(カナダドル安/米ドル高)が進みます。

risage2

ただし、アメリカが利下げを行うと、直ちにカナダドル安/米ドル高が進むというわけではなく、しばらく横ばいあるいは、カナダドル高米ドル安が進んだ後に、カナダドル安/米ドル高が進むときがあります。

その期間は約6ヵ月から1年弱はありますので、その点は注意していきたいところです。

また、米国が利下げを行った後に、米ドル高が天井をつけるまでの間は、短いときで1年後、長くても3年程度になっておりますので、アメリカが利下げを行ったのを確認して、ドルロングポジションを作るときは、その点も頭に入れておきたいところです。

以上のことから、カナダドル/米ドルとFRBとBOCの利下げの間には、次のようなサイクルを見出すことができます。

〇アメリカが利下げを行うと、基本的にカナダドルは売り

〇ただし、米国の利下げ後、6ヶ月から1年程度はカナダドル高が発生することがある

〇ドル高のピークはアメリカの利下げの1年後から3年以内に訪れる

まとめ

「カナダドル/米ドルの為替相場をFRBとBOCの政策金利からサイクル分析で予想する方法」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

BOCの政策金利の動向が1997年以降からしか確認できないことから、サンプル数にデータとしての弱さを感じるものの、特に米国の利下げを行ったときのドル高トレンド発生については、かなり高い相関を見出すことができるのは、興味深いところかと思います。

読者の方のトレードの参考にして頂ければ、幸いです。

最後まで、お読みいただきましてありがとうございました!

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