FX口座を開設するときには、様々な視点から検討する方が多いと思いますが、口座開設後は実際のトレードに慣れるまで、何度か実験的に取引を繰り返すことになるかと思います。
その実験的な売買をするときに、高い手数料を支払うのはもちろん避けたいところですし、また、デイトレードなどの短期売買やもう少し長めのスイングトレードをメインに考えている人にとっても、手数料は無料あるいは、安い口座で取引を行いたいものです。
そこで、今回はFX初心者が手数料無料あるいは安いFX口座で取引するために、知っておきたいポイントを幾つか見ていきたいと思います。
なお、FXにおける手数料の仕組みなどについてはすでに分かっているので、早く手数料やスプレッドが最も安い会社を知りたいという方は「FXスプレッド比較ランキング|最少おすすめ業者」をご覧ください。
FXの手数料は無料、取引コストはスプレッドのみが基本
現在、国内大手の2社であるDMM FXとGMOクリック証券
を筆頭にして、FXにおける取引にかかる手数料は多くの会社で無料化が進んでおりまして、現状では、スプレッドと呼ばれる売り注文と買い注文の価格差だけが、売買にかかるコストとなっていることがほとんどです。
背景には、日本国内でFXの取引を行うユーザーが増えたことにより、FX会社が口座開設手数料、口座管理手数料、売買手数料、出金手数料、入金手数料などをユーザーに変わって負担しても、収益を上げられるまでの規模に拡大したことが挙げられます。
では、スプレッドとは一体、どういうものでしょうか?
言葉では分かりにくいと思いますので、実際の画面でご覧いただきたいと思います。
下記の画像内にある点線で囲ったところにある「新規0.3」がスプレッドと呼ばれるものになります。
そして、実際に取引を行ったときに発生するスプレッドは下記のようなイメージになります。
10,000通貨の取引、つまり米ドル円で113万5,420円の買い建てを行って、すぐにそのポジションを決済すると、マイナス30円の損失になるということを意味しています。
なお、スプレッドについては「片道」分だけで、往復でコストがかかるわけではありません。
つまり、新規注文のときにスプレッド分をコストとして支払った後、決済注文のときにはスプレッドを支払う必要がないということになります。
10,000通貨あたりの取引手数料が30円程度というのは、株式や商品、外貨預金などの取引と比べても破格の安さで、FXの取引コストがいかに安いかということをお分かり頂けるかと思います。
FXの手数料はなぜ無料にできるの?
では、なぜFX会社は手数料を無料にして、取引コストであるスプレッドを限界に近い水準にまで下げられるのでしょうか?
それは、FX会社が相場への参加者が増えたことにより、自社の顧客分の売り注文と買い注文を相殺することで、利益を上げることができるようになってきたというのが大きな理由になります。
例えば、先ほどの米ドル円の取引を例にとって、見ましょう。
仮に今、自社の顧客の中にいる2人から、たまたま同時に米ドル/円の買い注文が100万通貨、売り注文が100万通貨あったとします。
FX会社は、通常はそれらの注文をインターバンク市場にオーダーを掛けるのですが、それらを自社で相殺してしまえば、2人からの注文分のスプレッドは丸々、利益とすることができます。(ちなみに上の例では、3,000円+3,000円の計6,000円)
FX会社は、全ての注文をそうした形で相殺しているわけでもありませんが、全注文の何割かを相殺することで、他の金融商品の取引に比べて、非常に安い取引コストや手数料無料という環境を用意することに成功しています。(ちなみに自社内で反対の注文を相殺することは特に法律的にも問題はありません)
FXの取引は手数料無料でスプレッドが狭い業者がおすすめな理由
先ほど上の例でも見ましたが、国内大手の2社であるDMM FXとGMOクリック証券
では米ドル円を10,000通貨取引するのに、約30円の取引コストが必要になります。
それを10回繰り返せば、300円、100回続ければ3,000円となりますし、あるいは、一回の取引で10万通貨、100万通貨単位で取引を行えば、一回あたり、それぞれ300円と3,000円のコストが掛かってきます。
現実的に、米ドル/円のレートが1ドル100円のときに、100万円の資金でレバレッジ10倍~20倍で取引をすると、一回の取引で10~20万通貨を取引することになりますので、スキャルピングやデイトレードなどの短期売買がメインの人にとっては、いくら安いとは言え、取引コストは軽視できません。
実際に筆者自身、短期売買も行いますが、悪戦苦闘してやっとの思いで収支トントンで売買を終えたと思っていたら、後で計算してみるとスプレッドで30,000円以上も払っていて愕然とすることもあったりします・・。
また、FX初心者の方が相場に慣れるために実験的なトレードで米ドル/円以外のポンド/円やランド/円といった通貨ペアをトレードしようとしますと、スプレッドはさらに広くなりますので、注意が必要です。
特にランド/円やトルコリラ/円などのスワップ金利が高い通貨ペアはスプレッドが広いことも多いので、業者選びは慎重に行いたいところです。
どの通貨ペアのスプレッドがどれくらいで、狭いスプレッドを提供しているFX会社にはどんな会社があるのかということを、詳しく知りたいという方は、「FXスプレッド比較ランキング|最少おすすめ業者」をご覧ください。
FXには手数料が必要な取引も存在する
ここまでFXの取引には、スプレッド以外は今は必要ないということを説明してきましたが、実は、取引する方法などによっては、手数料が必要になるものもあります。
それが、「1,000通貨単位の取引」や「システムによる売買」になります。
通常、FXでの取引は10,000通貨単位での取引が基本になりますが、中には1,000通貨単位での取引を受け付けているFX会社もあります。
1,000通貨単位の取引になぜ”手数料”が必要になるかと言いますと、1,000通貨単位での取引の場合、スプレッドからの収益だけでは会社として上げられる利益があまりにも小さいからという理由です。
例えば、先ほど上で紹介した例では米ドル/円を10,000通貨取引してスプレッドが30円でしたが、それが1,000通貨になると、3円・・・です。
幾らなんでも一回の取引コストが3円というのは、注文を受ける側も相当な注文数を受けることができないと、それで利益を上げることはできません。
そういった理由から、1,000通貨単位で注文を受け付けているFX会社では1回の取引に対して20~30円の取引手数料をトレーダーに負担してもらう形を取っています。
システム売買についてですが、こちらは、アルゴリズムなどを使って機械的に売買するというものですが、開発したシステムの開発費用・運用・保守費用を、利用手数料として負担する形になります。
1,000通貨単位で取引できる会社について詳しく知りたいという方は「1,000通貨単位で取引できるおすすめFX会社のまとめ」の記事を参考にしていただければと思います。
まとめ
「FX初心者は手数料無料または安い口座での取引がおすすめ」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
FXの手数料についての仕組み、現状、取引する際のポイントなどが読者の方の参考になれば、幸いです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!