これからFXでデイトレードをやってみたい!という方に向けて、今回は、デイトレードの手法や戦略を作る方法について説明してみたいと思います。
では、早速見ていきましょう。
デイトレーダーを始めるためのチェック項目
FXでデイトレードをはじめるにあたって、まず最初に着手しなければいけないことは、手法や戦略を作るための準備になります。
下記の通り、そのチェック項目を表にまとめましたので、ご覧ください。
チェック項目 | 内容 |
---|---|
テクニカル分析 | テクニカル指標の選択 |
ファンダメンタルズ分析 | ファンダメンタルズ分析を取り入れるか否か |
逆張り | トレンドの反転を狙う |
順張り | トレンド・フォロワー |
資金量 | 証拠金の規模 |
トレードできる時間帯 | 東京・ロンドン・ニューヨーク |
FX口座 | サブとメインなど |
スリッページ | 発注レートと約定レートの開き |
スプレッド | 買いのレートと売りのレートの差 |
リスク | 取引する通貨ペアのボラティリティやレバレッジなどで管理 |
FX以外での相場 | 株、商品など |
テクニカル分析
デイトレーダーには欠かせないテクニカル分析。
移動平均線だけを用いるシンプルなトレードから、ストキャスティクスやMACDといった他のオシレーター系のテクニカル分析まで、デイトレードの手法を作るにあたって、自分がどの指標を取り入れるかということをまず、決める必要があります。
もちろん、トレードしながら、相場によって選択するテクニカル指標を変えていくということも重要になってきます。
テクニカル分析にはどんな種類があるのかということを詳しく知りたい方は、「FX初心者のためのテクニカル分析」を参考にして頂ければと思います。
ファンダメンタルズ分析
デイトレードなので、ファンダメンタルの分析を全く考慮する必要がないというのも一つの戦略ですが、デイトレードでも、ファンダメンタルズを考慮するというトレーダーも存在します。
実際に、筆者はデイトレードでファンダメンタル分析を取り入れるタイプですが、そのときの地合いによって、エントリーするポジションの大きさ=レバレッジを調節したりしています。
具体的には、ドル高トレンドなのか、ドル安トレンドなのかといったことに加えて、ドルインデックスの動きを長期と短期で見てチェックしています。
下は1973年から2015年までの米ドルインデックスの長期チャートになります。
逆張り・順張り
自分の性格も含めて、逆張り・順張りのどちらかを選択する、あるいは、両方を使う、地合いによって使い分けるといったこともデイトレードの手法を作るためには、重要なポイントになります。
筆者の場合、月足、週足、日足を見て、今の相場がトレンドが出ているのか、あるいは出ていないのかということをドル・ストレートを中心に確認を行い、その中から、トレンドが出ている通貨ペアに対して、順張りでトレードするという形でトレードを行っています。
筆者が日々、動向を確認しているドル・ストレートの通貨ペアは下記の通りです。
通貨ペア | 表記 |
---|---|
ユーロ/ドル | EURUSD |
豪ドル/米ドル | AUDUSD |
米ドル/円 | USDJPY |
ポンド/米ドル | GBPUSD |
ドル/スイス | USDCHF |
米ドル/カナダドル | USDCAD |
米ドル/ニュージーランドドル | USDNZD |
また、逆に最もトレンドが出ていない通貨ペアについては、ボリンジャーバンドや回帰トレンド、エンベロープなどを使いながら、逆張りのスタンスでトレードするといった形でデイトレードを行っています。
資金量
例えば、50万円以下の証拠金でデイトレードをする場合、少しでも証拠金を有効に活用できる通貨ペアを選択することで、資金量の少なさをカバーするということを考えるのも重要なポイントになります。
米ドル/円が80円台のときは、1LOT取引するのに80万円が、120円のときは、120万円が必要といったように、為替レートによって必要となる証拠金はかなり変わってきます。
証拠金が少ないうちは、為替レートの”低い”通貨ペアに絞るというのも一つの戦略になります。
トレードできる時間帯
サラリーマン、主婦、自営業、学生など、それぞれの立場で自由に使える時間や、トレードできる時間帯は異なると思いますが、それに応じて、デイトレードの戦略を考えるのも重要なポイントです。
例えば、仕事中にレートチェックが難しいサラリーマンが、東京タイムに米ドル円をトレードするというのは、リスクが高いということは明らかですし、子供がいる主婦の方が子供の面倒を見ながら、ロンドンタイムにユーロ・ポンドのデイトレードを行うというのは、なかなか落ち着いてできないかと思います。
日本時間 | 東京タイム | ロンドンタイム | ニューヨークタイム |
---|---|---|---|
9:00 | オープン | ||
15:00 | クローズ | ||
16:00(夏時間) | オープン | ||
24:00(夏時間) | クローズ(ロンドンフィックス) | ||
17:00(冬時間) | オープン | ||
25:00(冬時間) | クローズ(ロンドンフィックス) | ||
22:30(夏時間) | オープン(OptionNYカット) | ||
5:00(夏時間) | クローズ | ||
23:30(冬時間) | オープン(OptionNYカット) | ||
6:00(冬時間) | クローズ |
自分が相場を見ながら、ポジション調整ができる時間帯、そして、そこでリスクを取ることができる通貨ペアを選択するということもデイトレードを行うにあたっての重要なポイントになってきます。
FXの口座
FXでデイトレードをするのであれば、少なくともサブとメインの2つ、あるいは3つはFXの口座を開けておきたいところです。
通貨ペアのラインナップ、アプリの使い勝手、システムトラブルなどで取引ができないといったケースへのリスクヘッジとしてもFX口座は複数持っておいた方がいいでしょう。
ちなみに、筆者はスマホとPCで取引するFX会社の口座を使い分けています。
複数口座を持つことについては、「FX口座は複数で使い分けるべき8つの理由」の記事も参考にしていただければと思います。
スリッページとスプレッド
FXにおいて、事実上の取引手数料であるスプレッドは、デイトレードの場合、中長期のトレードに比べると、圧倒的に売買回数が多いので、決して軽視はできません。
DMM FXやGMOクリック証券
のような、少しでもスプレッドが狭いFX会社で取引することで、スプレッドによる損失を少なくすることを心掛けたいところです。
また、FX会社の約定力にあたるスリッペ-ジについても、FX会社をシビアにチェックする必要があります。
リスク管理
デイトレードで最も重要になるのが、リスク管理です。
デイトレードでハイレバレッジで取引をしていて、相場の急変に巻き込まれると、大きな損失に見舞われるというのは、決して珍しいことではありません。
アメリカの雇用統計の発表時や日銀の金融政策決定会合、ECBの政策金利発表時など、重要な経済指標の発表があるときは、レバレッジを下げたり、そもそもエントリーしないなどのリスク管理を行うことは、デイトレードをいていく上で、基本的なリスク管理になります。
また、新興国通貨はボラティリティが急激に高くなったりすることがあるように、ボラティリティの高い通貨でデイトレードを行うときは、ポジションサイズには十分に気を付ける必要があります。
また、逆にユーロスイスのような値動きの小さい通貨ペアでデイトレードをしていても、動きがなさすぎて、はがゆい思いだけで終わってしまいますので、そういった通貨を避けるというのも一つのポイントです。
FX以外の相場について
株式、債券、不動産、商品など金融市場ではFX以外にもトレード対象は数多くありますが、それらの動向をチェックするあるいは、全く考慮しないというのもデイトレードを行うときのポイントの一つになります。
筆者は、デイトレードをする前に、日々、米国のS&P500、2年国債の利回り、CRB指数といった代表的なものについては、チェックを行っています。
具体的には、CRB指数や原油価格が低迷しているときは、豪ドル、カナダドル、ニュージーランドドルといった通貨はショート目線で見ながら、デイトレードを行うといったような感じです。
まとめ
「FXでデイトレードの手法や戦略を作る準備」と題してお送りしてきましたが、いかがでしょうか。
筆者は、デイトレードだから、日々トレードしなくてはいけないという風に考える必要は全くないと思っておりまして、例えば、筆者はアメリカ市場が休場の日は、基本的にデイトレードをしません。
また、ボラティリティが急激に上昇して乱高下する相場のときは、デイトレードからスイングトレードに切り替えた方が資金効率がいいと考えて、デイトレードを休止することも少なくありません。
各国の中央銀行がサプライズで量的緩和をはじめたり、金融引き締めをはじめたときなどは、まさにそのタイミングだったりします。
デイトレードがしたいから、毎日トレードをするための手法や戦略を作る必要があると考えるよりも、自分で考えたトレードの手法や自分の性格に合ったトレード戦略がたまたまデイトレードだったり、ある条件を満たすときだけ、デイトレードをするといった方が、”勝てる”デイトレード戦略を生み出す近道だと思います。