FXでは相場観があたっていても、実際のトレードでは早めの利食いで思ったほど利益を伸ばすことができなかったり・・、長くホールドし続けてしまったために利益確定の大きなチャンスを逃してしまったり・・といったことは、決して少なくありません。
利益確定のタイミングをピタリと当てるのは、実に難しいため、どんな相場環境でも正解と呼べるような方法はまず存在しませんが、ただ、自分に課したルールを自ら破り、それが原因で利益を伸ばせなかったり、大きな利益を逃してしまうのは悔やんでも悔やみきれません。
また、場合によっては、その後悔から感情的なトレードに走ってしまって、次のトレードで失敗・・・といった風に、次のトレードに悪影響を与えることもあったりします。
そこで、今回はFX初心者のために、FXで最も大事な利益確定のタイミングについて、どんなものがあるのかということを説明していきたいと思います。
内容 | |
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1 | 時間 |
2 | 値幅 |
3 | テクニカル |
4 | 要人発言 |
5 | 経済指標 |
6 | アノマリー |
早速見ていきましょう。
1.時間
FXの利益確定のタイミングを設定する方法の一つとして、まず紹介したいのが「時間」をベースにするという方法です。
時間軸をベースにして、利益確定のタイミングをルール化するのは、トレードスタイルによって、異なってきまして、例えば、デイトレードであれば、、ロンドンタイムの終了時間(深夜0時ごろ)やNY時間の終了時間(日本の早朝5時頃)といった時間を利益確定のタイミングにするといった方法になります。
その他にも、中長期のトレードであれば、米国の利上げ時期からドル売り円買い(円高)ポジションを作り、半年後に利益確定をしたり、アメリカが金融緩和をストップしてから、ドル買いユーロ売りをはじめて、2年後に利益確定を行うといった長めの時間をベースに利益確定を行う方法もあります。(もちろん、その時に損失を抱えている場合は、損切になります。)
参考/米ドル/円の為替相場を2016年から2018年までサイクル分析で予想!
時間をベースに利益確定のタイミングを設定する方法は、トレード開始から利益確定までのスケジュールが明確になっているので、シンプルで分かりやすいというところや、設定した時間がやって来るまで”何もしなくていい”といった点、また場合によっては時間が味方となり、思わぬ利益を手にすることができるというメリットなどが挙げられます。
ただ、ボラティリティが高い相場の場合、設定したルールが時間が故に、利益確定までにストップに引っ掛かってしまって、損切りとなってしまうこともあります。
2.値幅
値幅を利益確定のタイミングとする方法については、非常にシンプルです。
100pipsで利益確定とする、200pipsで利益確定とするなどなど、予め指値などで設定しておくことで、利益確定を自動的に行うことができます。
3.テクニカル
FXで利益確定のタイミングとして、利用している人が多いのがテクニカル分析です。
移動平均線やボリンジャーバンド、ストキャスティクスなどテクニカル分析のエントリーサインと手仕舞いのサインに従って売買を行うという形になります。
例えば、ボリンジャーバンドを使った利益確定のタイミングとしては、下記のように-3σでエントリーを行い、-2σ、-1σといったところで段階的に利益を確定していくといった方法があります。
テクニカル分析について詳しく知りたいという方は、当サイトにて様々なテクニカル分析の使い方をまとめたページがありますので、そちらを参考にして頂ければと思います。
4.要人発言
為替レートは、各国の輸出や輸入の金額にも大きな影響を与えることから、各国の政治家や中央銀行のメンバーなどの要人が為替レートに対して様々な思惑を抱えて、言及することが少なくありません。
そして、そんな要人発言が原因で為替レートが変動することも数多くあります。
中でも、ある通貨ペアの2国間の要人が同じような方向へ”コミット”しているときは、FXでトレードをする絶好のチャンスでもあります。
例えば、それまで日米の首脳がドル高円安を容認していたときなどがそれにあたります。
そして、要人発言を利用したトレードを行う場合は、それまで前提となっていた要人の発言の方向が変わったところが、利益確定のタイミングということになります。
上の例で言えば、それまでドル高円安を容認していた日米両首脳が急にドル高をけん制するようになったときなどがそのタイミングになります。
要人発言をベースにしたトレードは、期間が定まっていませんが、上手く波に乗ることができれば、大きな利益を手にすることができるのが特徴です。
ただ、公式、非公式問わず為替レートに関する2国間の首脳による発言のチェックは日々、怠ることはできません。
5.経済指標
リスクオフの円買い、有事のドル買いなど相場の急変時には、様々なセオリーが存在しますが、トレードの利益確定のタイミングを経済指標をベースに行うという人もいます。
例えば、下記はアメリカの実質GDPの成長率ですが、見事に縦のグレーの線が入っている不景気のときに、マイナス成長を記録しています。
経済指標をベースにしたトレードでは、アメリカのGDPがマイナス成長になったら、ドル売り円買いでエントリーして、マイナス成長からプラス成長に転じたときに、利益を確定するといった方法になります。
どういった経済指標を利益確定のための材料とするかは個人差はありますが、利益確定のタイミングを決める方法の一つになります。
6.アノマリー
アノマリーとはご存知のない方に説明させて頂きますと、説明がつかないけれど、相場でよく起こることを表す言葉で、五月には株を売った方が年間の運用成績がいいという格言の「Sell in May」などはそれにあたります。
為替でもアノマリーは幾つかありまして、例えば、クロス円の10月末買いの4月末売りといったアノマリーや、サンタクロースラリーなどがあります。
中には、新月と満月をエントリーや利益確定のタイミングに利用するアストロジー・トレードなどもありまして、それもアノマリーの一種と言えるかもしれません。
”勝ったものが強い”相場の世界では、アノマリーを利益確定のタイミングとして利用するという方法もあります。
まとめ
「FX初心者は利益確定のタイミングこそ命であることを知ろう」と題して、お送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
FXにおける利益確定のタイミングをどこにするのかというのは、トレードスタイルによって様々な方法があるということは、お分かりいただけたのではないでしょうか。
自分に合ったトレードスタイルと利益確定のタイミングを身につけて、「頭と尻尾はマーケットにくれてやれ(天井と底を掴むのは難しいけど、美味しいところはきっちり頂こう)」という格言通り、美味しく利益を手にしたいですね!
最後まで読みいただきまして、ありがとうございました。