FX業者間でスプレッドの水準をめぐる競争は近年、激化の一途を辿っていまして、それに伴いスプレッドも様々なタイプが出てきています。
そこで、今回はFXにおけるスプレッドの種類には、一体どんなタイプがあるのかということを見ていきたいと思います。
FXのスプレッドの種類
FX業者が展開しているスプレッドの種類を編集部にて表にまとめましたので、まずは下記をご覧ください。
スプレッドの種類 | 内容 | |
---|---|---|
1 | 原則固定スプレッド | 相場急変時以外は原則スプレッドは固定 |
2 | 完全固定スプレッド | 相場の動向に関わらず、スプレッドは固定 |
3 | 変動スプレッド | 常時、スプレッドが変動する |
4 | マイナススプレッド | 理論的には、買ってすぐに売れば利益になる美味しいスプレッド |
5 | キャンペーンスプレッド | 一時的にFX業者が提供する限定スプレッド |
順番に見ていきましょう。
1.原則固定スプレッド
DMM FXやGMOクリック証券
といった国内大手のFX業者をはじめ、多くのFX業者が採用しているのが、原則固定スプレッドです。
重要な経済指標の発表時や早朝、自然災害などが原因でマーケットが大きく変動したときには、一時的にスプレッドが大きく動くタイプです。
スプレッドが拡大する原因にもよりますが、アメリカの雇用統計の発表など重要な経済指標が発表された直後、数秒から数十秒はスプレッドが広がります。
ただ、そうした時間帯を除けば、原則、各通貨ペアのスプレッドは固定されているのが原則固定スプレッドということになります。
2.完全固定スプレッド
完全固定スプレッドは、その名の通り、完全固定で配信されるスプレッドのことを指していまして、FX業者によっては期間限定で、特定の通貨ペアを完全固定スプレッドで提供することがあります。
完全固定スプレッドが必ずしも狭いスプレッドということはありませんが、いつ取引してもスプレッドが固定されているというのは、取引する上での安心感が違います。
ただ、現実的には、完全固定スプレッドそのものは滅多に提供されることがありません・・・。
3.変動スプレッド
こちらも名前の通りのタイプになりまして、レートの変動とともにスプレッドが常に変動しているタイプになります。
相場動向により、スプレッドが変動しますので、大きく広がるときもあれば、”マイナス”になることもあります。
マイナス・スプレッドについては、次で、詳しく解説させていただきます。
4.マイナススプレッド
日本国内にあるFX業者には、現在大きく分けて2種類の業者がありまして、顧客からの注文を受け取り、そのままインターバンクで取引をできる業者と、間に提携先の銀行を挟んでインターバンクへオーダーをかける業者がいます。
外国為替市場で銀行などの金融機関同士が取引を行うインターバンク市場への参加は、金融機関の規模など参加にあたって厳しい条件が課されていまして、インターバンク市場へ顧客からの注文をオーダーできる業者は限られているというのが現状です。
そして、顧客からの注文をインターバンク市場へ直接、オーダーをかける業者で時として提示されるのが、「マイナススプレッド」になります。
〇直接、インターバンク市場へオーダーをかけるFX業者のイメージ
〇提携先の銀行を通じてインターバンク市場へオーダーをかけるFX業者のイメージ
マイナススプレッドは、買値よりも売値が下回っているときに起こる状況で、インターバンク市場に参加している複数の金融機関で提示するビッド(売り)とアスク(買い)のレートが異なったときに、一時的に発生することがあります。
マイナススプレッドは理論上は買ってすぐに売ることができれば、その差額分を利益にすることができますが、現状では、それを実現するのは極めて困難で、なぜならマイナススプレッドが発生している時間が、短すぎるからです。
もちろん、マイクロ秒単位の超高速取引ができる環境を作り上げることができれば、マイナススプレッドを利益にすることができる可能性がありますが、個人のトレーダーがそれを実現するには多額のコストが掛かることが予想されます・・・。
5.キャンペーンスプレッド
そして、最後にご紹介するのがキャンペーンスプレッドになります。
キャンペーンというのは、FX業者が一時的にキャンペーンと称して、他の業者よりも狭いスプレッドを原則固定で提示したり、あるいは、完全固定スプレッドで提示したりという一種の顧客サービスになります。
筆者は中長期のポジションを作るときや両建ての鞘取りなどを狙ったトレードをするときには積極的に活用しています。
上手く使いこなすことができれば、”美味しい”スプレッドで取引できることがありますので、是非ともチェックしておきたいところです。
まとめ
「FXのスプレッドの種類|原則固定から変動・・マイナス・スプレッドまで」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
スプレッド競争の激化は、私たちトレードする立場からすれば、享受できるメリットが大きく、業界の活性化にも繋がりますので、今後も期待したいところです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!