FXでレバレッジ19倍で取引を行うことを前提とした場合、複利や利益、損失、証拠金がどのように変動するのかということをまとめてみました。
FXをこれから始める人や運用方針を見直したい!という方に参考にして頂ければと思います。
早速、見ていきましょう。
レバレッジ19倍でホールドして運用、年間で予想される損益は?
まず、最初に参考例としてご覧いただくのは、レバレッジ19倍でドル円をホールドしたまま、運用したときの運用資金(証拠金)別の予想損益になります。
想定レートは1ドル=100円としておりまして、例えば運用資金1万円でレバレッジ19倍ということになりますと、100円×1900通貨という計算になります。(FXでは、標準の取引単位は1万通貨単位ですので、証拠金が10万円の場合は100円×19,000通貨となります。)
参考/100通貨単位や1,000通貨単位で取引できるおすすめFX会社のまとめ
そして、年間の予想される損益については、過去約20年のドル円の年間平均変動率をもとに、プラスマイナスでどれくらいの変動が予想されるかということをもとに、算出しました。
ドル円相場 | 変動幅 | 変動率 |
---|---|---|
1996 | 7.79円 | 6.7% |
1997 | 21.04円 | 16% |
1998 | 36.1円 | 24.5% |
1999 | 23.57円 | 18.9% |
2000 | 13.74円 | 12% |
2001 | 18.48円 | 14% |
2002 | 19.64円 | 14.6% |
2003 | 15.12円 | 12.5% |
2004 | 13.01円 | 11.4% |
2005 | 19.69円 | 16.3% |
2006 | 10.88円 | 9.1% |
2007 | 16.92円 | 13.7% |
2008 | 24.8円 | 22.2% |
2009 | 16.62円 | 16.4% |
2010 | 14.74円 | 15.6% |
2011 | 9.95円 | 11.7% |
2012 | 10.76円 | 12.4% |
2013 | 18.88円 | 18% |
2014 | 21.1円 | 17.4% |
2015 | 10円 | 8% |
2016 | 22.71円 | 18.7% |
平均 | 17.4円 | 14.77% |
参考/ドル円相場の年間高値と年間安値及び年間変動幅と年間変動率のまとめ(1972-2016)
では、それらをもとにレバレッジ19倍でドル円を運用したときの運用資金(証拠金)別の予想損益を下記の表でご覧ください。
運用資金(証拠金) ※レバレッジ19倍 | 年間の平均変動率=14.77% (1996-2016の20年平均) |
---|---|
1万円 (建て玉19万円) | ±28,063円 |
10万円 (建て玉190万円) | ±280,630円 |
100万円 (建て玉1900万円) | ±2,806,300円 |
200万円 (建て玉3800万円) | ±5,612,600円 |
300万円 (建て玉5700万円) | ±8,418,900円 |
400万円 (建て玉7600万円) | ±1,122万円 |
500万円 (建て玉9500万円) | ±1,403万円 |
1,000万円 (建て玉1.9億円) | ±2,806万円 |
5,000万円 (建て玉9.5億円) | ±1,4億円 |
1億円 (建て玉19億円) | ±2,8億円 |
※スプレッドなどは考慮しておりません。
例えば、年初の1月の時点で元手300万円に対してレバレッジ19倍を掛け、ドル円5700万円のポジションを持っていたとしますと、その年の12月の終わりまでに想定される年間損益の平均予想変動幅は、「±8,418,900円」という計算になります。
レバレッジ19倍でトレードして、複利運用したときの損益は?
では、続いて、レバレッジ19倍でドル円を積極的にトレードを行い、1週間に「+0.2%」の収益を挙げられる戦略を立てた場合の複利シュミレーションを見ていきましょう。
運用資金(証拠金) ※レバレッジ19倍 | 1週間あたり「+0.2%」で複利運用できた場合の年間利益 (1年間=52週) |
---|---|
1万円 (建て玉19万円) | +20,802円 |
10万円 (建て玉190万円) | +208,020円 |
100万円 (建て玉1900万円) | +2,080,200円 |
200万円 (建て玉3800万円) | +4,160,000円 |
300万円 (建て玉5700万円) | +6,240,000円 |
400万円 (建て玉7600万円) | +8,320,000円 |
500万円 (建て玉9500万円) | +1,040万円 |
1,000万円 (建て玉1.9億円) | +2,080万円 |
5,000万円 (建て玉9.5億円) | +1.0億円 |
1億円 (建て玉19億円) | +2.0億円 |
※スプレッドなどは考慮しておりません。
毎週「+0.2%」というと、優秀な短期トレーダーと呼ぶには十分な成績で、かなりの高収益というシュミレーション結果になります。
もう少し水準を下げて、1ヶ月あたり「+0.2%」で運用できたケースも見てみましょう。
運用資金(証拠金) ※レバレッジ19倍 | 1ヶ月あたり「+0.2%」で複利運用できた場合の年間利益 (1年間=12ヶ月) |
---|---|
1万円 (建て玉19万円) | +4,610円 |
10万円 (建て玉190万円) | +46,100円 |
100万円 (建て玉1900万円) | +461,000円 |
200万円 (建て玉3800万円) | +920,000円 |
300万円 (建て玉5700万円) | +1,380,000円 |
400万円 (建て玉7600万円) | +1,840,000円 |
500万円 (建て玉9500万円) | +2,310,000円 |
1,000万円 (建て玉1.9億円) | +4,610,000円 |
5,000万円 (建て玉9.5億円) | +2,310万円 |
1億円 (建て玉19億円) | +4,610万円 |
※スプレッドなどは考慮しておりません。
先ほどよりは収益は落ちますが、それでも年間利回りにすると、「+46%」前後でこちらも、素晴らしい成績になります。
レバレッジ19倍の証拠金によるFXでのロスカットのリスク
続いてはレバレッジ19倍で取引をした場合の「ロスカット」になるリスクについて見ていきましょう。
例えば、今、FX口座に運用資金として100万円を入金し、それを証拠金として、レバレッジ19倍で米ドル(レート=100円)を買った場合、ロスカットされるには、購入した米ドルがどこまで下がる必要があるのかということをまとめたものが下記になります。
上は、1ドル=100円のレートで購入した米ドルが1ドル=99円、1ドル=98円と下がった場合の運用状況です。
仮にドル円が99円まで下がっても、ロスカットとなる最低必要証拠金の72.2万円に達するには、まだギリギリ純資産が残っているという状況です。
しかし、ドル円のレートが1ドル=98円にまで下落してしまうと、ロスカットとなる最低必要証拠金の684,000円を超過した損失が出てしまい、何もしなければ強制ロスカットということになります。
正確には、必要証拠金はその時の為替レートによって決まりますので、米ドルのレートが99円や98円になったときには、必要証拠金やロスカットされるレートも前後する可能性があります。
ちなみに、もし、必要証拠金不足に達したときですが、一般的なFX会社では、翌営業日に追加証拠金が必要との連絡が入り、そして、追加証拠金を入金できなかった場合に限り、強制決済という流れになります。
FXのレバレッジと証拠金維持率に関して、もっと詳しく知りたいという方は、「FXにおける証拠金の維持率とレバレッジについて」をご覧頂ければと思います。
FX初心者向け-レバレッジの目安を探る方法-
では、ここからは妥当なレバレッジの目安を探る方法について見ていきたいと思います。
妥当なレバレッジの目安を探るには、個人の価値観や運用方針などにより多少異なってきますが、重要なポイントとしては、「通貨」、「時間」、「ボラティリティ」、「リスク許容度」などがあります。
例えば、レバレッジ19倍で運用を考える場合、どれくらいのボラティリティを想定してトレードするのか?といった点でも、レバレッジに関する考え方も異なってきます。
レバレッジ19倍で運用することを考えた場合、どれくらいの期間、どの通貨で、どんな風に運用していくかということについては、冷静に検討したいところです。
当サイトで、妥当なレバレッジの目安を探る方法について、詳しくまとめた記事をご用意しておりますので、そちらも参考にしていただければと思います。
FXのレバレッジ19倍でスワップポイントを目的とした運用について
レバレッジ19倍でFXをすることを検討している人の中には、スワップ金利を目的とした運用を考えているという方もいるかもしれません。
レバレッジ19倍は、想定取引期間や取引対象通貨によっては、リスクは決して低くありません。
特に、高いスワップ金利がつく新興国通貨での運用を考えている場合、為替差損がスワップ金利を上回ることが少なくないことは注意しておきたいところです。
チャート出所/GMOクリック証券
上記はランド円の1996年から2017年までの長期チャートですが、長期的には南アフリカランドは、日本円に対して下落し続けています。
相場の世界ですから、いつも下がり続けるということはありませんが、長期的には、高金利通貨は、高いところで掴んでしまうと、大きな含み損をいつまでも抱えてしまうことになりかねませんので、注意しておきたいところです。
高金利通貨と呼ばれる新興国通貨には、どんなリスクがあるのかということを当サイトで詳しくまとめた記事がありますので、そちらも参考にして頂ければと思います。
参考/FXで長期投資をするときのおすすめの通貨とおすすめの会社
まとめ
「FXでレバレッジ19倍で取引シュミレーション~複利・利益・証拠金の推移のまとめ~」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
レバレッジ19倍で運用することを考えていた方に本記事が少しでも参考になれば、幸いです。
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございます!