FX業者にはスプレッドの広い会社、狭い会社など様々な会社がありますが、それに加えて、スプレッドの単位をpipsや銭にしている会社があり、パッと見たときに”バラバラ”で把握するのが難しいというFX初心者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回はFXにおけるスプレッドの単位の意味と、実際にそのスプレッドでトレードすると、どれくらいの取引コストが発生するのかという計算方法についても見ていきたいと思います。
では、早速見ていきましょう。
FXにおけるスプレッドの単位-pipsと銭-
pipsと銭の単位を理解するために、当サイトの編集部にて早見表をご用意しましたので、下記にてご覧ください。
pips | 銭 |
---|---|
0.1pips | 0.1銭 |
1pips | 1銭 |
10pips | 10銭 |
100pips | 1円 |
1000pips | 10円 |
5000pips | 50円 |
DMM FXやGMOクリック証券
といった国内大手のFX業者は、例えば、米ドルのスプレッドを「0.2銭(原則固定)」としていたりしますが、pips単位に直しますと、0.2銭(原則固定)=0.2pipsということになります。
また、ユーロドルなどのスプレッドを「0.5pips」としている会社がありますが、その場合、日本円のレートに換算すると「0.5銭」ということを意味しています。
ちなみに、スプレッドではありませんが、今日の収支が+100pipsだった!という意味は、ちょうど日本円にして「1円」の値幅の利益を得たということを指しています。
では、そのスプレッドが実際にどれくらいの取引コストになるのかということを見ていきたいと思います。
FXにおけるスプレッドの計算方法について-pipsと銭-
スプレッドの計算についても早見表を編集部にてご用意させて頂きましたので、下記の表をご覧ください。
スプレッドによる取引コスト | 0.3pips=0.3銭 | 5pips=5銭 |
---|---|---|
1,000通貨(※) | -3円 | -50円 |
10,000通貨 | -30円 | -500円 |
10万通貨 | -300円 | -5000円 |
100万通貨 | -3000円 | -50,000円 |
※最近は1,000通貨単位で取引ができる業者が出てきていますが、1,000通貨単位で取引する場合、スプレッド以外に売買一回あたりに手数料が掛かる業者がありますので、実際の取引コストはもう少し高くなることがあります。
ちなみに、1通貨単位から取引ができて、スプレッドが狭いFX業者として有名なSBI FX TRADEでは、取引単位に関わらず、売買手数料は無料になっています。
なお、スプレッドについては、ほとんど全てのFX業者で新規注文のときにだけ、かかってくるコストになっておりまして、例えば、新規注文を出して、同値で決済した場合にかかる取引コスト=スプレッドは往復で1回限りとなっています。
米ドル円をサンプルにして、下記のイメージにてその流れをご覧ください。
上記のケースでは、113万5,420円で新規の買い注文を行い、113万5,390円で売り注文を出すという流れになりまして、新規の買い注文→決済の売り注文で「30円」の取引コストが発生するということになります。
1万通貨あたりの取引コストを考えますと30円、1万通貨を10回取引で300円、そして100回取引しても3,000円程度のコストなので、ドル円についてはその取引規模に対しては、かなり取引コストは低いと言えます。
ただし、注意しなくてはいけないのは、相場急変時のスプレッドの拡大や、レートに対してスプレッドが広いランド/円などの通貨を取引するときです。
FXにおけるスプレッドの計算方法について-レートに対するスプレッドの広さ-
高金利通貨として有名な南アフリカランド円は、スワップポイントの高さからスワップ派と呼ばれるトレーダーに人気の通貨ですが、ランド円はレートそのものが低くく、取引しやすい通貨である一方、スプレッドが広いので注意が必要です。
例えば、下は国内でもランド円のスプレッドが最狭水準にあるDMM FXのスプレッドです。
実際に、ランド円をどれくらいの枚数を取引したときに、どの程度のスプレッド=取引コストがかかるのかを見てみましょう。
スプレッドによる取引コスト | ポジションサイズ | 1.4pips=1.4銭 |
---|---|---|
1,000通貨(※) | 7,464円 | -14円 |
10,000通貨 | 7万4640円 | -140円 |
10万通貨 | 70万4640円 | -1400円 |
100万通貨 | 700万4640円 | -14,000円 |
10万通貨=70万4640円のポジションを作るのに、スプレッド=取引コストが1,400円で約0.2%掛かることになりまして、米ドル円の約0.03%に比べますと、かなり割高(約10~15倍程度)になっているのがお分かりいただけるかと思います。
ランド円がいくら高金利とは言え、700万円近くのポジションを作って14,000円の取引コストがかかるというのは、為替変動リスクなども考慮しますと、決して安い金額ではありません。
高金利通貨でレートが低く、スプレッドが広い通貨には、ランド/円の他に、トルコリラや東欧通貨などがありますが、スプレッド=取引コストには、十分注意を払いたいところです。
まとめ
「FXにおけるスプレッドの単位と計算方法まとめ~pipsと銭について~」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
本記事が、pipsと銭の関係、スプレッドの計算方法などについての理解を深めていただくのにお役立てできれば、幸いです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!