FXぶっちゃけQ&Aは、FX初心者の素朴な疑問に専業トレーダーであるMGI氏が本音で回答していくというコーナー。
【登場人物】 | ヒトコト |
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夢見るフクロー | FXで一攫千金を夢見るFX初心者のフクロウ。 |
MGI | 中長期的なサイクル分析をトレードの主体としながら、 短期トレードも行う相場歴15年以上のFXトレーダー。 |
前回のお話はこちら
「FX初心者で短期トレード派がスプレッドに要注目な理由とは?」
リスクオンで買われやすい通貨とリスクオフで買われやすい通貨
いつもというわけではありませんが、FXではマーケットの参加者がリスクを積極的に取りにきた時に買われやすい通貨と、そのときに売られやすい通貨が存在ます。
例えば、FXでリスクが選好されると、原油と関連が深いカナダドルや資源価格と関連が深い南アフリカランド、豪ドルなどが買われるといった傾向があります。
そして、リスクオン相場では、逆に米ドルや日本円、スイスフランが買われやすい傾向にあります。
円安・ドル安相場とは?
為替相場では、2国の通貨を取引することになりますが、FXで取引できる通貨ペアが必ずしも、米ドル/円のように、マーケットで色々な市場参加者から数多く取引されている通貨ペアではありません。
例えば、ポンド/円のペアは、ポンドドル/米ドルと米ドル/日本円の合成通貨と呼ばれていまして、ポンドドル/米ドルと米ドル/日本円の2つの通貨ペアの値動きによって、そのレートが決まります。
つまり、ポンド円のレートの強弱を決めているのは、ポンドドルが米ドルに対してどういった動きをしているのか、米ドルが日本円に対して、どういった動きをしているのかという2つのポイントで決まってくるというわけです。
そして、円安・ドル安相場というのは、円がドルに対して売られ、米ドルが主要通貨に対して売られた結果、円が最も売られる状況にあることを指しています。
具体例で見ていきましょう。
まず、ご覧いただくのは、NZドル/米ドルのチャートで、2012年の春先から、2013年の春頃まで、NZドルが短い期間でかなり値を切り上げていることが、お分かり頂けるかと思います。(2012年の年央から2013年にかけて、NZドルは乳製品価格の高値推移を背景に急伸)
チャート参考/GMOクリック証券
値幅にして、NZD/USDは0.7500から0.8600の値上がりになっておりまして、約1年間でかなりの値幅が動いた計算になります。(1万通貨あたり、約10万円の値動き)
これだけでもかなり大きな値動きと言えるのですが、実はこのとき、対米ドル以外に、さらに大きな値動きとなったのが通貨が「NZドル/円」になります。
チャート参考/GMOクリック証券
上記は、先ほどのNZドル/米ドルが買われた同時期の「NZドル円」のチャートになりまして、値動きにして、なんと、59円から85円の「約25円」の上昇になっていたのです。(1万通貨あたり、約25万円の値動き)
NZ米ドルの約2.5倍近くの値動き・・という状況だったのです。
この状況がまさに、「円安・ドル安」相場で、リスクテイクの典型的なパターンになります。
「円安・ドル安」相場について、もっと詳しく知りたい方は、「FXで「ドル安・円安」のリスクオン相場でトレードする方法と注意点」をご覧ください。
円高・ドル高相場とは?
マーケットの市場参加者がリスク回避の姿勢を強めるリスクオフ相場では、比較的、安全資産と呼ばれるスイスフラン、米ドル、日本円が買われやすい傾向にありますが、そうした動きが如実に出た形となるのが「円高・ドル高相場」です。
早速、具体例で見ていきましょう。
具体例として、イギリスで2015年の年末から2016年にかけて話題となり大相場となった「ブレグジット」(ユーロ経済圏からの離脱を国民投票によって決める)絡みのポンドの動きで見ていきたいと思います。
まず、ご覧いただくのは、ポンド/米ドルのチャートで、2015年の年末から、ポンドが短い期間でかなり値を切り下げていることが、お分かり頂けるかと思います。(ポンドがEUから脱退すると、経済的な損失が大きくなることが懸念されて、ポンドが一方的に売られる形に)
チャート参考/GMOクリック証券
値幅にして、GBP/USDは1.5400から1.4000の急落になっておりまして、数ヶ月でかなりの値幅が動いた計算になります。(1万通貨あたり、約14万円の値動き)
これだけでもかなり大きな値動きと言えるのですが、実はこのとき、対米ドル以外に、もっと値動きの大きな通貨が”同時期”にあったのです。
それが「ポンド/円」になります。
チャート参考/GMOクリック証券
上記は、先ほどのポンド/米ドルが売られた同時期の「ポンド円」のチャートになりまして、値動きにして、なんと、185円から155円の「約30円」の下落になっていたのです。(1万通貨あたり、約30万円の値動き)
ポンド米ドルの2倍近くの値動き・・という状況です。
鋭い方はすでにお気づきの通り、ポンドが米ドルに対して急落した、まさにその同時期に米ドルに対して円高が急速に起こり(「ドル高・円高」)、ポンド/円が「暴落」することになったのです。
下記は同時期の米ドル円のチャートになります。
チャート参考/GMOクリック証券
もう少し、詳しくこの流れについて、見てみましょう。
米ドルに対して、ポンドが売られる、そして、米ドルに対して、日本円が買われた結果、順番から行きますと、日本円が、最も強い通貨に、その次が米ドル、そして最弱通貨がポンドという形になってしまったのです。
「円高・ドル高」相場について、もっと詳しく知りたい方は、「FXでドル高・円高のリスク回避相場でトレードする方法と注意点」をご覧ください。
続きのお話はこちらからどうぞ
「FXのリスクオン・リスクオフ相場とは?相場展開とリスクはどんな関係?」