「FXで大儲けしたい!」
「スワップポイントでコツコツ利益が欲しい」
「FXでお小遣いを稼ぎたい!」
などなど、FXをこれから始めようと考えている初心者の方の中には、色々な心境の方がいらっしゃるかと思います。
筆者自身、10年以上前にFXをはじめた理由は、「儲けたい」「トレードが好き」というシンプルな理由でした。
しかし、残念ながら、筆者の周囲には「儲けたい」という思いが強すぎて、レバレッジを上げて大勝負をかけて退場したり、レバレッジはそこまであげてはいなかったけれど、相場の大変動に巻き込まれて大きな損失を発生させて、FXをやめてしまったという人も存在します。
では、そんな風にならないために、どんなことを心掛けてトレードに臨むべきか、そして、FXで勝って、生き残るためには、何をすべきかということを説明してみたいと思います。
FXは儲ける前に生き残ることが最優先
株式市場、商品市場、債券市場など”相場”には色々な種類がありますが、中でもFXは最も流動性が高い相場であることが知られています。
ご存知のない方に説明させていただきますと、流動性が高いということは、簡単な言葉に言い換えれば、いつでも”売買”できるということで、FXは平日は24時間、日本が祝日であっても土日以外はいつでも売買が可能という、極めて高い流動性が特徴となっています。
そして、FXの魅力は流動性の高さに留まりません。
何と言っても、最大の魅力であるのは、高いレバレッジと低い手数料です。
上限25倍まで可能なレバレッジ(個人向けFXの場合)、米ドル/円を0.3銭(1万通貨あたり)を切るような水準で取引できる手数料は、株式市場などの他の市場に比べても、圧倒的に有利なトレード環境と言えます。
そうした高い流動性、証拠金の25倍まで取引可能なレバレッジ、極めて低い手数料などに惹かれ、近年、多くのトレーダーがFXに参入しているというのも頷けます。
ただ、そうしたメリットが、かえってトレーダーに「損失」を発生させるリスク要因になっているという点も否定はできません。
高い流動性があることから、ついつい”不必要な”売買回数が増えてしまう・・短期間で大きな利益を期待できることから、勢いあまって”過剰な”レバレッジをかけてしまう・・手数料が破格に安いので、”不用意な”エントリーをしてしまう・・・といったことは決して少なくありません。
本来、メリットであるはずの環境が、皮肉にも自分の収支に悪影響を与えている・・・。
なぜ、そんなことが起こってしまうかといいますと、ほとんどのケースでは「儲けたい」「負けを取り返したい」といった、”感情面”でトレードを繰り返してしまうからです。
特に短期的に「儲けたい」「負けを取り返したい」と”アツ”くなってしまうのは、最も注意すべきときです。
冒頭でも触れましたが、最悪、ロスカットという憂き目に遭い、相場から退場ということにもなりかねません。
では、勝つために、儲けるためにはじめた「FX」で退場しないための最優先事項は何かと言われますと、その答えは極めてシンプルで、
「生き残ること」
です。
FXをこれからはじめる初心者にとってみると、「生き残るって、そんな大げさな・・・」と感じる方もいらしゃるかもしれません。
ただ、これほど重要で、忘れてはいけない極意はありません。
相場で生き残りさえすれば、仮に大きく負けても再浮上するチャンスは僅かでも残されています。
しかし、取り返しのつかないトレードで大きな損失を受けてしまうと、退場はおろか、”心が折れて”しまって、相場に戻ってこれなくなってしまうというケースもあるのです。
FXでは、まず「儲ける」前に「生き残る」ことを最優先事項として、考えましょう。
FXで生き残るためにおすすめのチェックリストの活用
では、ここからは、FXで生き残るために、より実践的なアイデアとして、筆者がこれまで命綱として活用してきた「チェックリスト」について、具体例を交えながら説明してみたいと思います。
チェックリストの効用について筆者が気づいたのは、FXをはじめてしばらく経過した頃、自分が失敗したトレードを検証してみた結果、その失敗したほとんどのトレードに基本的な「イージーミス」が数多くあったことが分かったからです。
例えば、自分が作ったルール外のタイミングで”感情的な”エントリーをしてしまった・・。決済すべきタイミングより随分早く決済して、利益を削ってしまった・・。損切りすべきときに、損切りをしなかったために、損失が拡大した・・。
などなど挙げればキリがありませんが、同じミスを繰り返さないためには、トレードをする前に「チェックリスト」が必要だと痛感し、本格導入を進めた後は、日々、チェックリストの確認を自分に課すことにしました。
もう一点、補足しておきますと、筆者がチェックリストの導入を進めたのは、アトゥール・ガワンデ氏の「アナタはなぜチェックリストを使わないのか?」という書籍の中で、バリュ-投資家がファンドの成績を向上させるのにチェックリストを活用していること、チェックリストが起業家を支援するベンチャーキャピタリストの投資成績に影響を与えていることを知ったという背景もありました。
そして筆者はFXで生き残るために、思いつく限りのチェックリストを作成、修正、廃棄、改善を加えてきました。(今も続けています)
例えば、下記は筆者が朝起きて、トレードする前に必ず確認することにしているチェックリストの一つです。
トレード用のチェックリスト | 内容 |
---|---|
1 | 生き残ることが最優先であることを肝に銘じる |
2 | トレードに見送り三振はないことを意識~強い勢いに乗ることだけに集中~ |
3 | NYの為替市場、株式市場、債券市場の動向をチェックする |
4 | 原油先物、金先物をチェックする |
5 | ドルインデックスをチェックする |
6 | NY時間終了後の時間外取引(先物の動き)をチェックする |
7 | 金融決定会合や重要な経済指標の予定をチェックする |
8 | 監視対象の通貨ペアの週足、日足、時間足をチェックする |
9 | テクニカル分析でそれぞれの標準偏差をチェックする |
10 | オセアニア時間の状況をチェックする |
11 | ロンドンタイム、NY時間にあった要人発言をチェックする |
12 | 手元にある”アノマリー”をチェックする |
実際、上のチェックリストを導入した効果はすぐに出ました。
まず、無駄なエントリーが減ったこと。そして、チェックリスト導入前と導入後のFXでの成績にプラスの影響が見られました。
なにより、コツコツ勝って、ドカンと負けるという初心者が陥りやすい罠から抜け出せるキッカケになりました。
チェックリストの確認は退屈で面倒くさいものですが、相場で生き残る方法として、安上がりで最も効果が期待できる方法の一つであることは、筆者自身の例だけでなく、アトゥール・ガワンデ氏の「アナタはなぜチェックリストを使わないのか?」という書籍の中でも、数多く紹介されています。
相場で生き残るために・・自分だけのチェックシートを作り上げる
それができれば、きっと、それは、自ずと「FXで儲ける」ことへ近づいていくことと思います。
まとめ
『FX初心者は「儲ける」前に「生き残る」ことを考えよう』と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
FXは、トレードのハードルが低くく、また、トレードをはじめるタイミングが良ければ、短期的に大きく資産を増やすことも可能です。
ただ、外部環境の変化とともに、あるときには通じたトレードの方法が、その威力を失ってしまうというのは、実によくある話です。
そして、そんな苦境に立たされた時ほど、自分のトレードに対する姿勢や考え方が試されるときはありません。
そんなときこそ、今回のテーマである「生き残る」ことを思い出して頂ければと思います。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。