伝説の相場師エド・スィコータの言葉に
「皆、相場から自分の欲しいものを手に入れる」
という名言があります。
「勝ちたい・・!」「ダメもとで・・」「試しにやってみよう・・」など、相場に取り組むにあたっての気持ちが、そのままトレードのやり方や結果に繋がるといったことを示唆している至言です。
今回は、FXのトレードにおいて、最も重要な一つであるトレードスタイルについて考えてみたいと思います。
トレードスタイルを決めるのは「性格」
人は、同じものを見ても感じ方や解釈の仕方、受け取り方が違うように、相場に対しての感じ方も千差万別です。
では、自分のトレードスタイルを決めるにあたって、何をベースに自分のトレードスタイルを決めていけばいいかと言いますと、それはズバリ「性格」になります。
なぜ、性格が重要になってくるかと言いますと、自分の性格に合わないトレードスタイルでトレードをしていると、トレードの度にフラストレーションを抱えたり、ストレスを感じて、次第にトレード自体を続けることが困難になってしまうからです。
自分のトレードスタイルを見極めるためには、育ってきた環境、過去の経験、物事の考え方など、内なる自分とじっくりと対話を行うことが重要になってきます。
とは言え、何の手がかりもなく、自分の性格と向き合うというのは、抽象的すぎるかと思いますので、当サイトにて、その手掛かりになる材料をご用意いたしました。
それが、「リスク」「環境」「戦略」「時間」になります。
それぞれについて見ていきたいと思います。
リスク選好と損失回避
人がリスクと損失について、どのように考えているのかということは、ベルヌーイの定理(参照/wikipedia)やプロスペクト理論(参照/wikipedia)など様々な考え方があるように、リスクや損失についての感じ方は、人それぞれです。
実際に多くの資産を持ちながらも、レバレッジを上げて、リスクの高いトレードをしている人もいれば、それほど資産が多くないものの、損失を回避したいという気持ちからレバレッジを極力抑えてトレードする人がいたりするなど、様々です。
読者の方は、リスクを選考するタイプでしょうか?それとも、損失を回避したいタイプでしょうか?
性格 | リスク選好タイプ | 損失回避タイプ |
---|---|---|
レバレッジ | 高い | 低い |
利益 | 短い時間で大きく | ・小さくコツコツ ・ゆっくり時間をかけて |
損失 | 大きい | 小さい |
リスクを選好するタイプの人であれば、ハイリスク・ハイリターン覚悟で上手くいけば、短期間で大きな利益を手にすることも可能です。
ただ、一方で損失が出るときは、レバレッジの分だけ、損失も大きくなるというリスクもあります。
逆に損失回避のタイプの方は、レバレッジを低くして、そして、自分がリスクが低いと考えるポイントまでじっくりと待ち続けます。
損失回避タイプは、短期間で大きな利益を手にすることは難しいですが、スワップ金利でコツコツ利益を得たり、時間をかけてゆっくりと利益を積み重ねていくというスタイルになります。
生活環境とライフスタイル
FXでトレード環境については、現在はスマートフォンなどの普及もあり、基本的に24時間、どこでもトレードができるようになっています。
とは言いましても、会社に勤務している方などで日中が忙しい方はトレードをしたくても、なかなかトレードができないというのが現実ではないでしょうか。
また、一方で学生や専業主婦の方であれば、比較的、自分の好きなように時間を使うことができますので、サラリーマンの方に比べると、相場に向き合う時間帯なども比較的、自由に決められるかと思います。
ただ、そうした生活環境やライフスタイルだけで、トレードスタイルを決めるのは賢明ではありません。
ここでも重要なことは、「性格」になります。
例えば、相場を見ている時間が長いと、不必要なトレードを繰り返してしまうという人は、むしろ、トレードが”できない”ことが有利に働いたりすることもありますし、逆にじっくりと時間をかけてトレードするタイプの人は、隙間時間でちょこちょことトレードするのは、性格的に向いていないと思います。
性格 | トレードスタイル |
---|---|
ポジションを持つと気になってしょうがない | 長期のトレードは不向き |
短期間のトレードを繰り返したい | スキャルピングや短期向き |
じっくりトレードしたい | 長期トレード向き |
実際に、筆者はサラリーマン時代から短期トレード中心でしたが、サラリーマンを辞めた後、取引時間を伸ばしたり、スイングトレードを試したところ、逆に成績が落ちてしまったので、結局、サラリーマン時代のトレードスタイルに戻りました。
また、中長期でスイングトレードをメインとしていたFXトレーダーの人が、短期トレードに手を出して、痛い目を見て、その後、中長期のトレードに戻るといったケースもあります。
ライフスタイルや生活環境はトレードをする上で、もちろん、重要ですが、その制約条件に、自分の性格も考慮した上で、トレードスタイルを模索することが肝心です。
トレード戦略と手法
FXでトレードをする戦略や手法には実に様々な種類があります。
その中でも有名な戦略と手法には次の4つがありまして、自分がどういった性格であるかということで選択する戦略や手法が変わってくるかと思います。
項目 | トレードスタイル |
---|---|
テクニカル分析 | テクニカル指標を使って売買 |
ファンダメンタル分析 | 2国間の経済力や金融政策などをベースにして取引 |
逆張り | リバウンドを狙う手法 |
順張り | 相場のトレンドについていく戦略 |
〇テクニカル分析
トレードに使われるテクニカル指標には、MACD、ボリンジャーバンド、RSI、ストキャスティクス、標準偏差、DMI、ローソク足、一目均衡表、移動平均線など実に様々な種類があります。
テクニカル分析については、全く信用していないという人もいますが、トレードをする際に利用している相場参加者も数多くいます。
当サイトにて、FX初心者の方向けにテクニカル分析をまとめたページがありますので、興味のある方は、参考にして頂ければと思います。
〇ファンダメンタル分析
FXでは、各国の経済政策や金融政策、貿易政策、民間企業の大規模な設備投資、大きな資金が動くM&Aなどが材料となり、為替レートが大きく動くということが少なくありません。
そして、FXのトレードスタイルの中には、そうした各国の経済の基礎的条件をもとにトレードを行うというスタイルもあります。
〇逆張り派=コントラリアン
経済は好景気と不景気の波を繰り返しながら、循環していることはご存じの通りですが、そうした好景気と不景気の”反転”を狙ってトレードをするという戦略もあります。
例えば、2000年以降では、ITバブル崩壊やリーマンショックといった大きな節目がありましたが、そのときは、為替レートも株価も、債券も大きくプライスが変動しました。
そして、逆張り派は、相場が急激に下がっているときに買いで入り、相場が上昇しすぎていると判断するときには売りで入るといった手法になります。
相場はときとして、一方向に動き続けることがありますが、それは永遠には続きません。
必ず、どこかでリバウンドがやってきます。
そうした”反転”を狙って取引を行うスタイルのことを、逆張り派=コントラリアンと呼んでいます。
〇順張り派=トレンドフォロワー
一方、相場が向かっている方向に追従していくやり方で取引を行うのが、順張り派=トレンドフォロワーです。
統計学的に考えますと、相場の約65%近くは、トレンドレスな相場で、残りの約35%は、上昇相場あるいは、下落相場など一方的な相場であると考えることができますが、順張り派=トレンドフォロワーは、その約35%だけトレードを行うというスタイルになります。
もう少し平たい言葉で言い換えますと、上昇相場のときだけ買いでトレードする、下落相場のときだけ売りでトレードするといったスタイルになります。
時間軸
FXでトレードをするにあたって、重要な要素の一つに「時間軸」があります。
「短期間で結果を出したい」「長期間で利益をコツコツ出したい」「相場に長く関わっていきたい」など、時間に対する考え方は、人によって、様々です。
短期間で結果を追い求めたいという人であれば、資金効率を上げるためにレバレッジを高くしたり、あるいは、トレードの回転率を上げるという方法もあります。
また、10年単位の長期トレードするといったトレードスタイルですと、選択する通貨も米ドルやユーロ、ポンドといった先進国の通貨だけになるかもしれません。
その他には、時間軸という考え方を敢えて意識せずに、自分がかなり高い確率で勝てると思った時だけトレードをするといったスタイルもあったりします。
時間に対する価値観もトレードスタイルを決める上で重要なポイントになります。
まとめ
「FXで自分のトレードスタイルを見極める方法」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
FXをはじめるにあたって、今回取り上げさせて頂いた4つのポイントと自分の性格を照らし合わせるだけでも、かなり自分のトレードスタイルを浮彫りにできるかと思います。
今回の記事が読者の方のトレードスタイルの確立にお役に立てれば、これほど嬉しいことはありません。