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為替市場で円が「安全資産」としてリスク回避のときに買われる理由のまとめ

1998年のLTCM破綻、2008年のリーマンショックショック、2016年のイギリスのブレクジット(EU離脱)と何か世界的に大きな危機が起こるたびに、「安全資産」として買われる「日本円」

 

GDPに占める公的債務の割合がジンバブエやギリシャ並みに高かったり、超高齢化社会に突入し潜在成長率が低い水準にあるにもかかわらず、なぜ危機がある度に日本円が買われるのか(円高)・・・分からない・・・という方も多いのではないでしょうか。

20160624

上記は2016年6月24日の場中における、クロス円の円高の進み具合(データ参照元/US Yahoo Finace)

そこで、今回は日本円が危機が起こるたびに買われる「理由」について、まとめていきたいと思います。

外貨準備高が世界トップクラス

日本の財務省は、対外債務の返済、輸入代金の決済のほか、自国通貨の為替レートの急変動を防ぎ貿易等の国際取引を円滑にするために、海外諸国の債券やゴールド、米ドル、ユーロなどを通じて「外貨」を準備しておりまして、その水準は世界トップクラスを誇っています。

下記は、CIAのサイトから引用してきたデータで、2015年の12月31日の段階での外貨準備高を国際比較した表になります。(一部の国は、2014年の年末になっている場合もあります。)

順位/2014-2015
1中国3.2兆ドル
2日本1.2兆ドル
3EU連合7.4千億ドル
4サウジアラビア6.6千億ドル
5スイス5.4千億ドル
6台湾4.2千億ドル
7ロシア3.7千億ドル
8インド3.7千億ドル
9韓国3.6千億ドル
10ブラジル3.5千億ドル
11香港3.4千億ドル
12シンガポール2.6千億ドル
13メキシコ2.0千億ドル
14ドイツ1.9千億ドル
15アルジェリア1.5千億ドル
16タイ1.4千億ドル
17フランス1.4千億ドル
18イタリア1.4千億ドル
19アメリカ1.3千億ドル
20トルコ1.1千億ドル

参考/Reserves of foreign exchange and gold -CIA-

参考/外貨準備等の状況 -財務省-

マーケットでリスク回避の動きが強まるときは、ゴールドも高くなる傾向がありますので、そういった意味では、高い外貨準備高を誇る日本やスイスフランといった通貨は、リスク回避のときに買われやすいというのは、納得できる材料の一つになるかと思います。

逆に、外貨準備が不足していると、「アジア通貨危機」で露見したように、対外債務を支払うことができないのではという懸念が強くなり、貿易収支が悪化する度に、その国の通貨が激しく”売られる”傾向にあります。

なお、日本の外貨準高のその水準の高さの是非については意見が分かれていまして、「そこまで高い水準を維持する必要はないのでは?」という見方もあります。

対外純資産が世界トップ

また、日本は、海外への資産から負債を差し引いた「対外純資産」でも世界でトップクラスの資産を保有しているという事実があります。

下記は、財務省が発表している「本邦対外資産負債残高」から抽出した主要国の対外純資産を表にまとめたものになりますが、ご覧いただきました通り、日本の対外純資産は平成27年末(2015年末)で、世界一の水準を誇ります。

主要国の対外純資産
日本339兆2,630億円
ドイツ195兆2,360億円
中 国192兆3,726億円
香 港117兆9,765億円
ノルウェー85兆3,392億円
カナダ56兆8,624億円
ロシア37兆8,211億円
英 国-11兆7,745億円
フランス-49兆9,255億円
イタリア-57兆2,241億円
アメリカ合衆国-886兆4,925億円

参考/本邦対外資産負債残高 -財務省-

内容としては、海外への直接投資から間接投資(ファンドや債券、株式)、金融派生商品、現金・貸し付けなどに分かれておりまして、個人による投資、各種年金基金による投資、民間企業による投資など様々な経路で海外の純資産を保有しているという状況にあります。

対外純資産が世界一であるという実績は、マーケットでリスク回避が起こったときに、「円買い」が進む理由の一つになっていると考えられます。

家計の金融資産残高が1,700兆円近くもある

先ほど冒頭で、日本はGDP比に占める公的債務の割合が世界トップクラスということを触れましたが、一方で、日本の家計が持つ金融資産残高は1,700兆円にも上ります。

まずは、日本の公的債務がどれくらいの規模になっているのかということをご覧ください。

順位公的債務のGDP比
1日本227.9%
2ジンバブエ205.3%
3ギリシヤ171.3%
4レバノン138.8%
5イタリア135.8%
6ポルトガル129%
7エリトリア122.6%
8ジャマイカ122.5%
9カーボベルデ共和国116.2%
10グレナダ110%

参考/Public debt -CIA-

そして、下記は日本銀行が発表している資金循環統計から抽出してきた家計の金融資産残高の推移になります。

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参考/資金循環 -日本銀行-

ご覧いただきました通り、2015年末で日本の家計の金融資産は約1,700兆円ほどに達していることが確認できます。

日本人の家計がこれだけの金融資産を保有していることは公表データとしてありますので、仮に日本の個人が抱えている国債などの債券の価値が暴落しても、その他の金融資産があれば、十分、立て直せるチャンスがあるのではないでしょうか。

そういった意味でも、日本円は安全資産として買われやすい可能性があります。

政府が発行する債券のほとんどは国内で保有されているという事実

先ほど、日本政府の公的債務のGDP比が世界で最も高い水準にあるということを紹介させて頂きましたが、一方で、その内訳をよく見てみると、それほど大きな懸念を持つ必要もないのでは?という見方もあります。

下記は先ほどの日銀が公表している資金循環統計の中に記載がある「一般政府の金融負債の残高」になります。

2015年末で約1,200兆円の負債残高があります。

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参考/資金循環 -日本銀行-

そして、下記は、その負債の大半を占める国債の保有者の内訳になります。

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参考/資金循環 -日本銀行-

赤い枠で囲んだところが海外の日本国債の保有者になりまして、その保有比率は、年々緩やかに増えてきてはいるものの、それでも、10%未満といったところです。

つまり、仮に、国家が財政状態の悪化から、国債の償還や利払いについて懸念されても、その国債を”売り浴びせる”主体となりそうな保有者は、それほど見当たらないのです。

この内容を知っていれば、日本の公的債務がGDP比で高い水準にあるからという理由だけで日本円にリスクがあるとは、必ずしも言えないということがお分かり頂けるかと思います。

リスクテイクの巻き戻し-ドル買いの売り戻しなど-

ここまでは、日本のファンダメンタルズを中心に見てきましたが、今度はマーケットの動向から考える円買いの動きについても見ていきたいと思います。

一般的にマーケットがリスク選好にあるときには、投資家や投機家が金利の高い金融商品や債券、ファンドなどにお金を向かわせる傾向にあるというのは、ご存知の通りかと思います。

一方で、マーケットがリスク選好の反対=つまりリスク回避にあるときには、どんな動きが出るかと言いますと、まさに、持っていたポジションを反転させる動き、つまり、買っていたものを売るという行動です。

日本は、1990年のバブル崩壊以降の1995年以降、金利はほぼゼロに張り付いておりまして、世界で景気が良くなると、真っ先に売られやすい通貨の一つとなってきました。

下記は日本の長期の政策金利の推移です。

jp_rate

参考/Interest Rates, Discount Rate for Japan -Federal Reserve Bank of St. Louis-

その結果、例えば、マーケットが強気のときには、ドル買い円売りが進むものの、マーケットがリスク回避のときには、それを巻き戻すかのように反対売買となるドル売り円買いが出やすいといった傾向にあります。

こうしたリスクテイクの巻き戻しとも言える動きが結果的に、円を「安全資産」として”買いに向かわせている”という側面もあります。

まとめ

「為替市場で円が「安全資産」としてリスク回避のときに買われる理由のまとめ」と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

本記事が、FXでトレードをしている方や海外株式投資をしている人で為替ヘッジのための知識として、参考になれば、幸いです。

最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました!

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